顕彰事業

第13回表彰 第13回渡辺晋賞:村井邦彦氏

【第13回渡辺晋賞】
村井 邦彦( むらい くにひこ )氏

作曲家・編曲家・プロデューサー。
米国ロサンゼルス在住。

『授賞理由』
グループ・サウンズ全盛期の1967年に作曲家としてデビューした村井邦彦さんは、半世紀にわたり、音楽業界に顕著な影響力を与え続けてきました。
特に、ユーミンからの日本音楽界へのモダンな流れの礎の構築や、ティン・パン・アレー以後の新風の送り込みには目を見張るものがあります。そのほかイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を世界に送り出すなど、エンターテインメントの多ジャンルに挑戦し続けています。
マネージメント面では、音楽出版社やレコード会社を創業し、アメリカにも現地法人を設立するなど国際的な視野にも手腕を発揮しました。
作曲家としては、ザ・テンプターズ、ザ・タイガース、ジャッキー吉川とブルー・コメッツ、ザ・モップス、ピーター、赤い鳥、辺見マリ、トワ・エ・モア、ハイ・ファイ・セット、森山良子、北原ミレイなどに楽曲を提供して、昭和時代後期の日本の大衆音楽を支えました。赤い鳥の「翼をください」は、平成時代の学校の教科書にも取り上げられています。
日本において25年活動の後、現在はアメリカ・ロサンゼルスを拠点に25年にわたり活動するなかで、映画、舞台、テレビドラマなどのエンターテインメント全域に活動を広げています。作曲家活動50周年の節目を迎えた昨年末には、日米のアーティストで表現する「LA meets TOKYO」コンサート(2017.12.15オーチャード・ホール)をプロデュースしています。
その姿勢と実績は、音楽をベースにしたプロデューサーとして著しいものがあり、さらなる期待も込めて第13回渡辺晋賞を授与するものです。

『略歴』
作曲家・編曲家・プロデューサー。米国ロサンゼルス在住。
1945年生まれ、東京都出身。
1967年、ヴィッキー「待ちくたびれた日曜日」で作曲家デビュー。
1969年、パリ・バークレー音楽出版社と「マイ・ウェイ」などの出版権利を契約し、音楽出版社アルファミュージック設立。
1972年、荒井由実をプロデュース。
1977年、アルファレコードを設立し、YMOをプロデュース。
1992年より、活動の拠点をアメリカ・ロサンゼルスに移し、活動開始。
2017年、作曲家活動50周年を迎える。

【アルファレコードの主な所属アーティスト】
赤い鳥、荒井由実、YMO、カシオペア、紙ふうせん、ガロ、小坂忠、サーカス、シーナ&ロケッツ、ハイ・ファイ・セット、ブレッド&バター、吉田美奈子など
 ※五十音順

【主な制作楽曲】
1968年、ザ・テンプターズ「エメラルドの伝説」、ザ・タイガース「廃墟の鳩」
1969年、トワ・エ・モワ「或る日突然」、ズー・ニー・ヴー「白い珊瑚礁」、
ピーター「夜と朝のあいだに」、森山良子「恋人」
1970年、辺見マリ「経験」、北原ミレイ「ざんげの値打ちもない」
1971年、赤い鳥「翼をください」、トワ・エ・モワ「虹と雪のバラード」
ほか多数。

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