顕彰事業

第3回表彰 授賞式の模様:本多一夫さんの受賞挨拶

渡辺晋賞、ありがとうございます。このような大きな賞をいただくのは本当にうれしいです。
私は昭和30年に札幌から出てきて、新東宝映画会社に入り、役者をやり始めました。渡辺晋・ミサさんが、渡辺プロダクション(ナベプロ)を作ったのが昭和30年だと聞いています。だから、30年同士なんだなと、勝手に思っています。
ですが、昭和30年かと振り返ると50年以上前ですね。ああ長いんだなと思いますね。
役者をやっていた新東宝の時代はというと、なかなか売れず、切られ役とかチョイ役ばかりでした。そして、イイ役をもらえないまま、スターになれないうちに会社が潰れてしました。スターにならないで潰れたということは、そのまま放り出されたということで、私は食べていく為に飲食店を経営するんです。これはうまくいきまして、15年間で50軒くらいの店を展開するようになりました。それが、劇場を作る収入源、基盤になります。48歳のときに最初の劇場が完成。それから25年になります。
25年経って今、72歳になりました。実は、70歳を過ぎたとき、また役者もいいかなと思い、2年前から開き直って役者もやっております。役者はやっぱり面白いものですよ。何が1番面白いかって、役者だと思っております。
劇場経営や演出家、作家も大変だと思いますが、一番面白いのは役者だと思っております。だから、これからも役者は続けていこうと思っております。
その役者が働くのは、劇場があってのこと。劇場を夢と趣味の延長で作ってきたことが評価されて、渡辺晋賞をいただきました。本当にありがとうございました。

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