第6回表彰 第6回渡辺晋賞:三枝成彰氏
【第6回渡辺晋賞】
三枝 成彰(さえぐさ しげあき)氏
1942年7月8日生まれ 作曲家。株式会社メイ・コーポレーション代表取締役、東京音楽大学教授。
『授賞理由』
三枝氏は作曲家として活動するだけでなく、プロデューサーとして日本音楽文化の振興に大きく寄与してきた。日本の代表的な音楽家を集めた「ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ」を1992年に形成し、以来19年間も継続している手腕、大晦日にベートーヴェンの第1から第9まですべての交響曲を一日で、ひとりの指揮者で、ひとつの交響楽団での演奏会を2003年から行い、大晦日一大イベントにしたプロデュース力、「はじめてのクラシック 高校生や中学生のために」では、本物のクラシックに親しませたいと願い2007年から1000円という価格で演奏会を構築した。歌うことの楽しさを追い「歌」という純粋な目的のために集う「六本木男声合唱団」を立ち上げ、国内にとどまらず海外活動も毎年積極的に展開し、昨年はミラノの大聖堂とバチカンのサン・ピエトロ寺院での演奏活動を行った。また、230名を超える文化人からなるENJIN 01文化戦略会議の幹事長としてもその手腕を発揮、ENJIN 01文化戦略会議は"来るべき文化による豊かさの時代"を築くべく日本各地でイベント・セミナーを開催し、地域の活性化にも結び付け大きな成果を挙げている。
数々の企画の着眼点、実行力、継続性による卓越したプロデュース力に対して、第6回「渡辺晋賞」を贈る。
『略歴』
兵庫県西宮市生まれ。1946年頃からピアノを習い始め、1951年、桐朋学園の子供のための音楽教室に入り、入野義朗に作曲を師事。和光学園小学校・中学校・高校を経て、1962年、東京藝術大学音楽学部作曲科入学。1年後輩に作曲家の池辺晋一郎がいた。1965年、作曲科在学中に安宅賞を受賞。1966年、同作曲科を首席で卒業。1971年に同大学院修了。1987年から東京音楽大学客員教授。1989年、芸名を「三枝成章」から「三枝成彰」に改める。
父は「NHKのど自慢」を企画したNHKの音楽番組プロデューサーで音楽評論家の三枝健剛こと三枝嘉雄。弟はNHKドラマ演出家・映画監督の三枝健起。
- 1978年
- グランドオペラ「龍恋譜」
- 1980年
- 「11PM」「CNNデイウォッチ」など、司会者やキャスターとして活躍
- 1991年
- モーツァルトの未完成曲「ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための協奏交響曲イ長調」補筆・完成
オペラ「千の記憶の物語」、「機動戦士ガンダムシリーズ」の音楽を手掛ける - 1992年
- 「ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ」形成
- 1997年
- 構想に10年近くをかけたオペラ「忠臣蔵」を初演。この作品のビデオとCDは、世界27カ国で発売されている。
- 2003年
- 大晦日ベートーヴェン全交響曲演奏会開催を始める。
- 2004年
- プッチーニのオペラ「蝶々夫人」のストーリーを下敷きにしたオペラ「Jr.バタフライ」を初演。
この作品は2006年、イタリアのプッチーニ音楽祭で再演された。
また2008年には日本人初となるプッチーニ国際賞を受賞した。 - 2007年
- 紫綬褒章受章