第19回表彰 授賞式の模様:都倉文化庁長官祝辞(要旨)
始めに、第19回渡辺晋賞授賞式の開催を心からお慶び申し上げます。
渡辺音楽文化フォーラムは、音楽や芸能及びその周辺の文化に関する助成事業や顕彰など、様々なアーティストに対する援助活動を続け、我が国の音楽文化の振興に多大なる貢献をされております。この場を借りて、心から感謝を申し上げます。
本年の栄えある渡辺晋賞を受賞されました亀田誠治様、誠におめでとうございます。渡辺晋賞はアーティストではなく、アーティストを縁の下で支えるプロデューサー、プロデュースという立場で活躍されている方を顕彰しています。
亀田様は数多くのアーティストから非常に慕われ、そして、自らも音楽家として、多くの音楽をプロデュースされています。
そのような活躍に対して、また、新しい音楽の業界のシステムの構築もされたということが、受賞理由ということでございます。
コロナが明け、我が国の音楽業界に対して非常に危機感を覚えたこの3年を思い返しますと、アーティストはもちろん、制作会社、プロモーター、そしてコンサートのプロデューサーといった皆様、本当にご苦労されていました。
コロナが明けて、これからみんなで「さあ、やろう。」というときに、日本の音楽界を支えている日本レコード協会、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンサートプロモーターズ協会、そして日本音楽出版者協会の五団体が初めて一致団結して、昨年の暮れに一般社団法人カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会(CEIPA)を立ち上げました。
立ち上げにあたり、皆様の大変なご努力がありましたが、一番大きな意味は、業界が国と一緒になり、公的な立場で日本の音楽界の中で活動し、国も音楽業界という、今まで参加していなかった中に参加するということです。
これが更に発展しますと、皆様のご努力が国内の市場だけに留まらずに、世界の市場を相手に、様々なものをつくり、アーティストを育て、アーティストも活躍できることとなります。
隣の韓国に少し先を越されているということは良く耳にしますが、日本の音楽業界が、再びアジアの雄として、世界に羽ばたける日、これに向かって業界が一丸となっていただき、それを国が後押しする仕組みが出来上がったということでございます。
亀田様におかれましても、是非、そのような立場でもご協力を頂ければと思います。そして、日本が一致団結し、世界に冠たる音楽大国に育つよう私は祈念しております。
結びに、皆さまのご健勝、また、亀田様の益々のご活躍、渡辺音楽文化フォーラムの益々のご発展を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。