第12回表彰 第12回渡辺晋賞:矢内廣氏
【第12回渡辺晋賞】
矢内 廣(やない ひろし)氏
ぴあ株式会社 代表取締役社長
一般社団法人チームスマイル 代表理事
PFF(ぴあフィルムフェスティバル) エグゼクティブプロデューサー
『授賞理由』
あなたがよく知られる業績の一つは、情報誌「ぴあ」の創刊です。そこには多岐にわたるエンターテインメント情報が網羅的に集約されていました。もう一つは、「チケットぴあ」のスタートです。それまで行列して購入するしかなかった興行チケットを、コンピューターオンラインネットワークを使って販売するという、新しい業態を出現させました。「ぴあ」では、映画・音楽・演劇・スポーツなど、マイナーなエンタメ情報を顕在化させることで、潜在的な需要を掘り起こすとともに、電話一本でチケットが予約できる「チケットぴあ」によって、エンタメファンの利便性を大きく向上させました。その後コンビニエンスストアやインターネットを活用した全国展開により、大規模な興行のチケットも短時間で販売できるようになり、人々が街に出て楽しむ行動の活性化や、興行マーケットの飛躍的な拡大に貢献しました。一方、フラットな愛情をもった視線でプロデューサーやアーティストを励まし、活躍のチャンスを与え続けています。例えば、38回を数える「ぴあフィルムフェスティバル」は、「新しい才能の発掘と育成」を目標に掲げ、すでに110名以上のプロの映画監督を輩出し、映画界の基礎的な活力源となっています。また、エンタメを通じて被災地の子ども達を元気付ける復興活動「チームスマイル」も、一般社団法人化して継続的な被災地支援を続けています。新しい業態を創出したことにとどまらず、社業を通じて社会に貢献し続けようとするその姿勢は、エンタメ業界の発展を願う“渡辺晋”の願いとも合致しているに違いありません。日本の文化発展のキーマンとして、ここに第12回「渡辺晋賞」を贈り、さらなる活躍を期待します。
『略歴』
ぴあ株式会社 代表取締役社長
一般社団法人チームスマイル 代表理事
PFF(ぴあフィルムフェスティバル) エグゼクティブプロデューサー
1950年、福島県いわき市生まれ。中央大学法学部卒業。
1972年、中央大学法学部在学中に月刊情報誌『ぴあ』を創刊。1974年、ぴあ株式会社を設立、代表取締役社長に就任。1984年、日本初のオンラインチケッティングサービス「チケットぴあ」をスタート。2002年、東証二部上場、2003年、東証一部上場。
ぴあグループ各社の代表のほか、公職として一般社団法人日本雑誌協会理事、公益財団法人新国立劇場運営財団評議員、日本アカデミー賞協会組織委員会委員、公益財団法人ユニジャパン評議員、公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会顧問、首都大学東京経営審議会学外委員、東京の観光振興を考える有識者会議委員、エンジン01文化戦略会議副幹事長兼事務局長等を務める。