一般財団法人渡辺音楽文化フォーラム・一般社団法人日本音楽出版社協会共催セミナー「クラウドで音楽配信はどう変わるか!」

2.海外におけるクラウド型音楽配信サービスの紹介

iTunes in the Cloud(アラカルト・ダウンロード)
販売型のダウンロード。楽曲を購入すると、iTunesに登録したiPhone・iPad・iMacなど、アップル社の製品10台までの端末に自動的にダウンロードが可能になります。
また、過去にiTunesで買った楽曲であっても10台までの端末に再ダウンロードが可能です。
Spotify(サブスクリプション)
月額制の楽曲聴き放題サービス。収蔵されている1500万曲以上の楽曲を自由にストリーミングで再生することが出来ます。その都度ダウンロードするアラカルトダウンロードサービスとは違い、聞きたい曲がストリーミングですぐに再生されるので、ストレスなく様々な楽曲の再生が可能です。
欧米など15ヶ国以上で展開されています。聴いている時に広告が入る無料サービスは月20時間までの再生制限がありますが、有料サービスに加入すると広告などの制限事項はなくなります。
ユーザーは月額約5ドルでPC聴き放題となり月額約10ドルでスマホでも聴き放題となります。
フェイスブックとの連動で導線を作り、再生回数を延ばしている模様です。
Pandora(ニア・オンデマンド)
米国でのラジオ型ストリーミングサービス。自分の好みのアーティストまたは楽曲名を入力すると、好みに合わせた楽曲(その楽曲に似た楽曲)が再生されます。再生中に楽曲をスキップすることによって自分の好みのアーティスト、楽曲を学習し、カスタマイズすることが可能ですが、あくまでもそのアーティストや楽曲に近い楽曲の再生がされるため、オンデマンドではなく「ニア・オンデマンドストリーミングサービス」と言われており、音楽ラジオ番組に近いサービスとして捉えられています。
ちなみに米国ではニア・オンデマンドストリーミングサービスは、著作権処理について強制許諾のスキームがあり、本サービスもこの範疇で運営されています。そのため1日の楽曲スキップ回数に制限があります。
iTunes Match(デジタル・ロッカー型)
デジタル・ロッカーというサービス。年約25ドル支払えばリッピング(DVDビデオソフトや、音楽CDなどのデジタルデータをパソコンに取り込むことを指すパソコン用語)した楽曲データでも、友達にもらったものでも、何でもクラウド上のロッカーにアップロ-ドすれば、このデジタル・ロッカーサービスを経由して他の端末でもダウンロードできます。
インターネット環境によってはアップロードに相応の時間がかかってしまいますが、フィンガープリント技術(楽曲データを"指紋"の様なデータに変換し非常に小さいファイルにする)により、クラウド上の楽曲データとマッチングさせてダウンロードさせる仕組みです。
Ultra Violet(ロッカーサービス)
パッケージを購入し、封入されているキー(ID)で認証されると、ロッカーサービスのクラウド内にあらかじめ用意されている当該データが再生可能となり、DVDなどのリッピングをしなくても他のデジタル機器ですぐに簡単に当該コンテンツの再生が可能になるというサービス。暗号化処理されたDVD、Blu-Rayディスクを違法ツールでコピーすることもなく合法に他のプレーヤーで楽しむことが可能となります。

  1. トップページ
  2. クラウドサービスとは何か
  3. 海外におけるクラウド型音楽配信サービスの紹介
  4. 海外でクラウドサービスが主流になる理由
  5. レコチョクの今後の方向性